一般的には、多くの機械は破壊や変形が発生しないように十分に強度のある材料や構造によって作られています。しかしながら、世の中には全く変形しないものは存在せず、どのような機械であっても柔軟性を有しており、大きさは様々であるものの変形やそれに起因した振動が発生します。そのような柔軟性は、機械そのものの動きに少なからず影響を及ぼすことから、機械の高精度の動きを実現するためにも、柔軟性の影響を十分に考慮して機械を動かす必要があります。

機械の運動方程式を導出し、さらにそれらを用いた数値解析を行うことで、機械が持つ柔軟性の特性を把握し、その運動への影響を解析や予測をすることができます。また、運動方程式から得られる情報を活用して動かし方（制御法）を見出すことで、変形や振動を抑制して高い精度の運動制御を実現することが可能です。

本研究室ではロボットや人工衛星のような宇宙機を対象として、そのような機械の柔軟性を考慮した運動方程式の導出法やシミュレーション手法、制御の仕方について研究を行っております。