青山学院大学 理工学部

DEPARTMENT研究室紹介

大原研究室

指導教員 大原剛三 教授
テーマ 発見科学研究
1.Web上の情報を利用した応用システムの開発
2.多義語を考慮した単語分散表現の学習に関する研究
3.複雑ネットワークに関する研究
4.機械学習技術を利用したプログラミング学習支援に関する研究

研究内容

近年、データサイエンスという言葉が注目されています。これは、大量に蓄積されたデータから確率・統計、機械学習などの技術を用いて新たな価値を創造する分野を指します。当研究室では、そのようなデータサイエンス分野の中でも、特に、機械学習技術を利用した応用研究、機械学習に関する基礎理論に関する研究、複雑ネットワークに関する研究、およびプログラミング学習支援などに取り組んでいます。以下、幾つか例示します。

Web上の情報を利用した応用システムの開発

いまやWeb上には、企業や組織が発信する情報に加えて、消費者個人が書き込む口コミ情報、ブログなど多種多様なテキストが溢れています。そのようなテキスト情報をうまく利用した人の行動分析、嗜好情報の抽出、金融市場の予測などの応用研究に取り組んでいます。また、それら大量の情報を目的に応じて効率的に俯瞰するための可視化に関する研究も進めています。

多義語を考慮した単語分散表現の学習に関する研究

近年注目されている機械学習手法である深層学習の技術を利用し、我々が通常用いる単語に多次元ベクトルを割り当てる手法が自然言語処理にて多用され始めています。そのような技術は、Web上のテキスト情報を分析し、利活用する場合にも重要となります。このベクトル表現は単語分散表現と呼ばれ、従来は1つの単語に1つのベクトルを割り当てることが主流でした。これに対して、一般には1つの単語は複数の意味を持ち得ます。そのように複数の意味をもつ多義語に対して、意味に応じた複数の多次元ベクトルを効果的に割り当てるための基礎理論、および、その割り当ての妥当性を適切に評価するための指標に関する研究に取り組んでいます。

複雑ネットワークに関する研究

実社会には、現実世界における道路ネットワーク、SNS(Social Networking Service)を介した社会ネットワークなど多様かつ大規模な複雑ネットワークが数多く存在し、そのようなネットワークを対象とした問題は多数あります。たとえば、道路ネットワークでは、災害時に通行不能になると多くの人の避難に影響を及ぼし得る道路を特定することは1つの重要な問題です。また、社会ネットワークでは、広告などの何かしらの情報を限られた予算の下で最大限拡散させたい場合に、誰に最初に情報を提供するのかを決めることが重要となります。このような問題を解くための効率的なアルゴリズムの開発、およびそれらのネットワーク上で観測される事象のモデル化などに取り組んでいます。

機械学習技術を利用したプログラミング学習支援に関する研究

大学などの教育機関におけるプログラミングの実習では、多くの受講生を限られた人数の教員・ティーチングアシスタントが指導することが多く、特に初学者にとっては、そのような環境ではプログラミングを習得するうえで十分な支援が受けれるとは限りません。そのため、文法上の誤りはなくても、期待された動作をしないプログラムをどう改善すればよいかのヒントを、機械学習技術を利用して半自動的に受講生に提供できる仕組み作りに取り組んでいます。

研究者情報

教授:大原剛三
学位 博士(工学)
所属学会 人工知能学会、情報処理学会、電子情報通信学会、IEEE、AAAI
研究分野 知能情報処理、機械学習、データマイニング、人工知能
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