1. ホーム
  2. 物理科学科
  3. 物理科学科主任メッセージ

物理科学科主任メッセージ

物理科学科の特徴理工学部 物理科学科主任予定 三井 敏之

物理学は自然現象の根底的な理解を目指す学問です。スケールは広大な宇宙のブラックホールから、原子分子の相互作用まで、非常に幅広く、またマクロなものとしては、超伝導や半導体の創生など、非常に多岐にわたります。これらの根底となる物理の法則は、今も昔も変わりませんが、最近ではサイエンス全体において、研究手法が変わりました。ビックデータやAI、そしてIoTなどの技術革新によるものです。物理のフィールドでもそれらを用いるための最適プログラムや実験装置の開発がすすみ、その恩恵を受け、物理の領域は、地震などの地学、生命遺伝子を探求する生物にまで及ぶようになりました。そこで私たちは、これらの最先端のスキルにも磨きをかけるための教育が必要と考え、これらを重視したカリキュラムを整えました。それが「物理科学科」です。

「物理科学科」という名称からも、物理だけにこだわらない科学と考えていただいてよいと思います。カリキュラムとしては、早期、最先端の研究に必要なスキルとして、プログラミング、データサイエンス、そのための統計解析、装置開発のための回路設計などを、演習や実験実習を通して習得します。これは、皆さんのキャリア教育の一環でもあります。物理が様々な研究領域に手を伸ばすように、「物理科学科」で学ぶ皆さんには、将来キャリアで多くの選択肢が得られるようにと、カリキュラムを考えました。

さらに、ビックデータやAI、それ以前のトランジスタの発明からコンピュータの構築、インターネットの黎明期、これらの発展には物理学、物理学者が大きく貢献してきました。皆さんにはキャリアとしてまずは物理、しかしそれだけにこだわらず、研究開発、最先端のAI、ソサイエティ5.0の発展に貢献してほしいと思います。

物理科学科が育成したい人物像

論理的な思考や、数値による定量的な判断、つまりデータサイエンティストとしての技能は、物理学ではレポートを書いているうちに身に付きます。プレゼンも2年次より行われ、コミュニケーション能力にも磨きをかけられます。新しい「物理科学科」では、それに加えて、幅広いスキルを身に付け、それに磨きをかけた人材を養成します。いま最先端である技術が、いつ他の技術やスキルにとって代われるか分かりません。5年後、10年後、20年後を考え、スキルの原理を理解し、数々のスキルを習得し、慣れていくことによって、皆さんは無敵な存在になれると思います。

物理科学科 卒業後の進路

大学院への進学がやはり多く、物理、理科の教員を選ぶ学生もいます。一般企業については、電機メーカー、自動車メーカーなどの製造業や、IT企業にシステムエンジニアやプログラマーとして就職する学生が多いです。最近、金融業界などにおいて、理系人材へのニーズが高まっていることから、金融やコンサルタントを選択する学生も増えています。新しい学科を新設するにあたり、ぜひ皆さんには世界を創造する、研究者、開発者になっていただきたいと思います。

高校生の皆さんへのメッセージ

私が高校生の時は、大学に入ってからキャリアを考える、そんな時代でした。でも今は違い、あらかじめ進路を想定して大学に入る人が多くなっています。しかし、物理科学科においては、入学後、多くのスキルを習得すれば、そこで改めてキャリアの選択について考えることができると考えています。ただし、実験レポートの作成、物理学の勉強、そしてスキルの習得と、キャンパスライフは決して暇ではありません。しかしそこで費やす多くの時間は、皆さんの3年後、あるいは10年後と、将来への投資と考えてください。いま受験で忙しいと思います。無理のし過ぎはいけませんが、自分を引き出すためには最大限の努力が必要です。がんばって下さい。