青山学院大学 理工学部

DEPARTMENT研究室紹介

坂上研究室

指導教員 坂上貴洋 准教授
齋藤拓也 助教
テーマ 高分子物理学、統計物理学研究
1.高分子の絡み合い効果についての研究
2.DNAの力学物性についての研究
3.クロマチン動態についての研究
4.メソスケールのソフトマター物理

研究内容

ソフトマターって何でしょう?素直な回答は「身の回りに見られる柔らかな物質」でしょうか。例えば、ゴムや、豆腐、ゼリー、クリームや、水に浮いた油滴。これらの例からも連想されるように、ソフトマターの中には、ネバネバしたものや、プルプルしたもの、固体とも流体ともつかないような性質を見せるものなど、素朴に不思議と感じるものや好奇心をかきたてるものがたくさんあります。また、ソフトマターを語る上で、「生物」を外すことは出来ません。細胞や、細胞集合体としての生体組織は変形と流動性に富んだ柔らかな振る舞いを示します。また、細胞の中にあるDNAやタンパク質などの生体高分子は、遺伝子発現をはじめとした生体機能を司っています。

当研究室では、生体高分子も含めた柔らかな物質の振る舞いの記述と理解を目指し、主として理論的な立場からの研究を行っています。

高分子の絡み合い効果についての研究

「荷物を縛る」、「ネクタイを結ぶ」、はたまた、「糸が絡まる」。ひもの「絡み合い」は誰もが知っている身近な現象です。同様の「絡み合い」は、ミクロなひも(=高分子)にも見られます。そして、その記述と理解は、高分子物理学における最も挑戦的な課題の一つとなっています。ひもはすり抜けをすることが出来ないため、絡み合いの生成消滅には、必ずひもの端点が関わってきます。では、端のない高分子、すなわち環状の高分子はどのような振る舞いをするのでしょうか。

このような視点から、高分子系における絡み合い効果の解明を目指して環状高分子の研究を行っています。環状高分子の記述は、トポロジー(結び目、絡み目理論)とも深く関連しており、物理、数学の両面から興味深い問題がたくさんあります。

DNAの力学物性についての研究

生体内で生み出されるDNAは長い高分子の代表選手です。細胞内からDNAを取り出し、蛍光色素で染色すると、光学顕微鏡の下にDNA一分子が揺らぎながら動く様子を観察することが出来ます。また、ミクロなピンセットとでもいうべき実験手法を用いて、DNA分子の両端をつまみ、引っ張ったり捩ったりすることも出来ます。DNAにどの程度の力が作用すると、どのような変形や運動が誘起され、また、どのような構造変化が起こるのか。このようなDNAの物性を明らかにする研究を行っています。DNAの振る舞いの普遍的な側面は、捩れ弾性と曲げ弾性を併せ持つ曲線として記述されますが、これは古典的でありながら、新たな話題に事欠くことのないとても魅力的な研究テーマです。

クロマチン動態についての研究

DNAはどのくらい長いのでしょうか?生物種にもよりますが、ヒトの場合、細胞中に含まれる46本のDNAを繋ぎ合わせると、全長は2mにもなります。このような長い高分子が数μm程度の細胞核の中に存在しているなんて、一体、細胞核の中の世界はどのようになっているのでしょうか。DNAとタンパク質の複合体であるクロマチンが、どのように折り畳まれ、また、どの様に動くことが出来るのかは、遺伝子の発現機構に関わる重要な問題です。このような生命現象の根幹に関わる問題について、生物学者と協力しつつ、物理学な立場からの研究を行っています。

メソスケールのソフトマター物理

物質を構成する基本要素である原子・分子。高校では、原子構造を理解するためには、古典力学だけでは不可能で、量子力学が必要となることを学びます。原子・分子の空間スケールをオングストローム(0.0000001 mm)とし、私達の身の回りのスケールがメートル (1000 mm)だとすると、この中間であるマイクロメートル(0.001 mm)くらいの階層には、一体、どのような世界が広がっているのでしょうか? 例えば、細胞内の環境がこのスケールに相当します。このような中間的な「メソスケール」では、熱的、非熱的な「揺らぎ」が顕在化し、この「揺らぎ」はソフトマターの機能発現と密接に関連しています。ソフトマターの揺らぎ、構造、機能といった問題に対し、理論・解析・数値計算を組み合わせ研究に取り組んでいます。

研究室オリジナルサイト

研究者情報

准教授:坂上貴洋
学位 博士(理学)
所属学会 日本物理学会
研究分野 ソフトマター物理、高分子物理、生物物理
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助教:齋藤拓也
学位 博士(理学)
所属学会 日本物理学会、日本地球惑星科学連合、日本地震学会
研究分野 生物物理、地球物理
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