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オレゴン留学体験記 ~コンピュータグラフィクスに賭ける夢~

青山学院大学には、海外の大学に本学学生を派遣する協定校留学という制度があります。協定校のひとつであるオレゴン大学へ2012 年9 月から2013 年6 月まで留学された田中博和さん(情報テクノロジー学科4年生)に、お話を伺いました。

協定校留学制度とは
青山学院大学と海外の大学との間で締結した協定に基づき、学生は青山学院大学に在籍しながら協定校へ約半年~1年間、留学することができます。現在、海外約80の大学と学生交換協定を結んでおり、毎年多くの学生が海外の大学で学んでいます。

集合写真 座談会参加者Profile:
田中博和
理工学部 情報テクノロジー学科4年


司会:いつ頃から留学しようと考えていましたか?

田中:大学1年生の頃からです。大学ではコンピュータグラフィクスを学びたいと思っていました。ハリウッド映画などを想起してもらえればわかると思いますが、コンピュータグラフィクスの技術には、プログラミングや数式を読む側面だけでなく、デッサンの能力や色彩感覚なども必要になります。そのためには、美術関係の講義を学ぶことが必要です。本学では情報工学は学べるのですが、アートの側面についてそれほど盛んでなかったので…。もちろん、英語も必要になりますから、それらを留学して学ぼうと思いました。

山田さん

司会:では、留学先を選ぶ基準もはっきりしていたのですね?

田中:はい、アートを学べるところというのが第一でした。もちろん、成績とも相談するわけですが。

司会:留学の準備はいつ頃始めましたか?

田中:1年生のときからです。協定校派遣交換留学は競争も激しいですから、TOEFL の勉強を始め英語の学習には一生懸命にとりくみました。集合ポストにチラシを配るアルバイトをしていたので、移動の時間を利用してずっと英語を聴いていました。TOEFL の試験も大変でしたけれど、失敗したときには「これは練習だった」と割り切って、とにかく繰り返し受験するのが大切だと思います。

司会:留学先での様子を聞かせてください。

田中:講義そのものよりも、履修登録に苦労しました。アメリカでは、ある講義を履修するのには指定された科目を修得していることが前提になっています。もちろん、必要な単位は日本で習得していますし、その情報は留学先の国際交流センターには伝わっているはずなのです。ところが、先方の学部事務室に伝わっていないみたいで、成績証明書を見せて説明をしても、なかなか埓があかないんです。なので、講義ひとつ履修するのにも、担当教員にアポイントを取って直接説明をすることもしばしばでした。時には、留学の動機から説明したこともありました。

司会:そこからですか(笑)。ただ、アメリカの文化では交渉すれば何とかなる面もありますからね。交渉力は身に付いたのではないですか?


鈴木さん

田中:それは分かりません(笑)。実際、失敗したことも多かったです。留学先では、講義の履修定員が少ないので、交渉結果を待っている間に定員が埋まることもありました。結局、取得単位数もぎりぎりで、実は進級も危なかったんです。

司会:留学先での生活について聞かせてください。

田中:大学の周辺には、学生向けの店やショッピングモールがある他は、本当に何もありませんでした。電車がないこともびっくりしました。その分、勉強には専念できますが。向こうでは、大学の寮に住んでいました。なるべく英語を話す機会を増やそうと思って2人部屋を選んだのですが、滞在中にルームメイトがほとんどいなくて、ちょっと当てが外れました。中国や韓国の留学生が多かったですね。彼らとは英語のスキルも同程度なので、まずはアジアの人と仲良くなりやすかったです。日本人はあまりいなかったですね。

司会:何かエピソードなどがあれば。

田中:一度、床屋に行ったのですが、「2インチ切ってください」というのがうまく伝わらなかったみたいで、その後は床屋に行くのが億劫になりました(笑)。

勉強風景

司会:帰国してまだ日が浅いですが、留学の経験が活きていると思ったことがあれば聞かせてください。

田中:一番は卒業研究です。先行研究を理解する際に、海外の論文を見つけて読むことができるようになりました。英語力のことだけでなく、海外では盛んでも日本であまり為されていない研究に詳しくなったことが大きいです。結果として、他の人とは一味違った卒業論文を書くことができそうです。

司会:卒業後の進路はどうされるのですか?

田中:(他大の)大学院へ進学します。もともとは就職するつもりで、実際に幾つか企業も回ったのですが、すでに選考が終わっていました。帰国したばかりの頃は、留学で自分が何を得たのか、これから何をしたいのか、十分にまとまっていませんでした。それらを振り返り、自分なりに咀嚼してまとめる時間が必要でした。就職活動の時期と合わなかったこともありますが、最終的に自分が得たものを最大限に活かしたいと考えたときに、もう少し研究を深めたいと思い進学することにしました。留学先では油絵の講義も履修したのですが、担当の先生に進学先への推薦状を書いていただきました。その先生とは絵画の技法や歴史についてさまざまな議論をしたのですが、進学にあたっても大いに助けていただきました。

司会:今後の抱負を聞かせてください。

田中:コンピュータグラフィクスは、基礎的な研究については完成しています。ただ、実際の応用や、ユーザーにとって使いやすいものにしていくうえでは、まだまだ課題があります。いま特に関心があるのは、キーワードではなくユーザーが実際に描いた形をもとに、それに似た画像を検索する技術です。船の画像を検索するのに、例えば三角形から出発して、帆の絵を付け加えると画像の情報が絞り込まれる、というようなものです。ただ、コンピュータグラフィクスの技術は、経済や心理学・人工知能など、もっといろいろな分野に応用されると僕は思っています。ですので、視野を広く持って学んでいきたいと思っています。


質問に対し、常に明快に体験や将来への希望を語ってくれた田中さん。「やりたいこと」をはっきりと見つけられた学生は、留学体験で大きく成長するものなのだと、実感しました。これからの活躍を期待します。


2013年12月20日実施
インタビュー記事
責:理工学部広報委員会

青山学院大学 田中博和
所属 情報テクノロジー学科

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