教員リレーコラム~知の並木道~

リレーコラム第16回(2012年9月18日)
携帯電話を使って、
広範囲に渡る実世界の状態を知ろう

文:理工学部 情報テクノロジー学科 教授 戸辺義人

戸辺義人 教授
戸辺義人 教授

 センサとは、人間の五感同様、”sense”(感知する) もので、世の中では多くのセンサが使われています。最近では放射線計測で、センサを知っている人も多いと思います。実際には、温度、圧力、加速度といった物理量や、ガス濃度といった化学量を計測するさまざまなセンサが存在します。我々のグループでは、センサを使って情報収集し、解析する研究を進めています。

さて、センサとは直接関係ない話となりますが、我々の多くは、コミュニケーションの手段として携帯電話を使うようになりました。電子メールやインターネットアクセスの機能も備えていて、今や、携帯電話は、日常生活を送る上で欠かせない持ち物となったと言えるでしょう。
こうして多くの人が携帯電話を持ち歩くことと携帯電話で位置情報が取得できる点に着目し、我々は、携帯電話とセンサを組み合わせて、場所毎の情報を発信する仕組みを研究しています。

1つ目のアプローチとして、携帯電話と数10cmの距離だけ通信可能なセンサを組にして、携帯電話の通信回線を利用して、センサで取得した情報を発信します。1人が取れる情報量は限られていますが、数多くの人が同時に取れると、広範囲の情報をいっぺんに取得することができます。頻繁に発信していると、電池の寿命が早く尽きてしまうので、消費電力を抑制するように発信する頻度を調節できるようにします。この仕組みで街中の大気汚染の状況を把握することなどができます。

もう1つのアプローチとして、携帯電話の内部に組み込まれたセンサを直接利用します。自転車に乗る人が保持する携帯電話から得られる加速度信号から、体の揺れが原因となる信号をうまく分離できると、路面のでこぼこ状態を取り出せます。その状態は、ある場所の状態であることも特定できるので、サイクリング道路の状態を走りながら取得できることになります。こうした情報を、サイクリング仲間で共有したり、補修の参考データとして活用が期待できます。

今後も、携帯電話とセンサを組み合わせた研究に取り組んでいきます。


次回のコラムは、物理・数理学科 竹内康博教授 が「非線形は面白い」についてのお話しをリレーしてくださいます。ご期待ください。

戸辺義人研究室のホームページ
http://rcl.it.aoyama.ac.jp/

情報テクノロジー学科のホームページ
http://www.agnes.aoyama.ac.jp/iit/index.html


青山学院大学 理工学部 情報テクノロジー学科 教授
戸辺 義人
Yoshito Tobe
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