教員リレーコラム~知の並木道~

リレーコラム第1回 (2010年4月14日)
解けない(?)方程式

文:理工学部 物理・数理学科 准教授 増田 哲


増田 哲 准教授

みなさんは、2次方程式の解の公式はご存知でしょう。
方程式 ax2+bx+c=0 の係数 a,b,c というデータを元に、
平方根をとる操作と加減乗除とで解が求まるというものです。

3次や4次の方程式にも、こうした解の公式(解を求める手続き)があって、係数のデータから、四則演算と平方根あるいは立方根をとる、という操作を繰り返すことで解が求まることが知られています。

では、5次方程式はどうでしょうか?多くの数学者が、5次方程式の解法を見つけようと試み、失敗しました。
そして遂に、ルフィニ(1765-1822,イタリア)およびアーベル(1802-1829,ノルウェー)の貢献により、5次以上の方程式には、こうした解の公式がないことが証明されました。解は存在するにも関わらず解けないのです。

ところで、5次以上の方程式でも、係数が特別なら解ける場合もありますね。
例えば、x5=1 は、x=1 の他に4つの解がありますが、それらは2次方程式を2回解けば求まります(やってみてください)。

ガロワ
ガロワ(1811-1832)

では、5次以上の方程式は、どういう場合に解けるのでしょうか?その説明には大学で学ぶ数学が必要になりますので、ここでは省きますが、それを明らかにしたのがガロワ(1811-1832,フランス)でした。彼はナポレオン帝政期に生まれ、それに続く革命の時代を激しく駆け抜けた青年でした。ガロワの理論は、あまりに時代を先取りしていたため、生前にはほとんど理解されませんでした。
彼が直観的につかんだ概念を、洗練された言葉で言い換え、そして深く理解するのに、人類は19世紀全体を費やしたのです。

来年は、ガロワ生誕からちょうど200年を迎えます。

次回のコラムは化学・生命科学科准教授の長谷川美貴先生が「日焼けはDNAをまもる」についてお話をリレーしてくださいます。
ご期待ください。


青山学院大学 理工学部 准教授 / 博士(理学)
増田 哲
Tetsu Masuda
研究室ホームページ
研究テーマ
非線形可積分系 / 特殊函数論
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